環境への取り組み
環境への取り組み
環境に配慮した資産運用
投資対象物件の設備更新や本投資法人と取引関係にある事業会社との連携を通じ、保有する全ての物件を対象に、 省エネ、節水等、環境に配慮した取組みを順次実施しています。
e.プロパティ・マネジメント会社の評価に際し、「環境に関する取り組み状況」を評価基準の一つとして位置付け
f.ビルメンテナンス会社との環境配慮に関する目標共有及び協働
g.カーシェアリングの導入
2024年1月末時点で、4物件(ポートフォリオの1.4%相当)に導入しています。
h.その他の取り組み
ヒートアイランドの軽減やCO2削減対策として緑地を設置したり、都市型水害や地盤沈下緩和対策としてインターロッキングブロックを設置しています。
1. 大規模修繕 / バリューアップ工事実施により耐用年数長期化
資産価値の維持及び建物使用耐用年数の長期化を図ることで、投資主価値の向上及び環境への貢献(ライフサイクルCO2の削減)を目指しています。
2. 目標と実績(エネルギー消費量・CO2排出量・水消費量・廃棄物量)
IRMは、「環境パフォーマンスデータ管理基準」を策定し、「サステナビリティ方針」を実践すべく、本投資法人の保有する不動産ポートフォリオのエネルギー効率化を図り、エネルギー消費量及びCO2排出量(GHG)削減に努めています。
ポートフォリオ全体においては、2030年度までにエネルギー消費量を20%(原単位)削減、CO2排出量のうちScope1・2について51%(総量)削減、2050年度ネットゼロ達成を目標としています(2018年度比)。
2022年5月には、FIT非化石証書を調達し、2021年度における物件共用部の電力を100%再生可能エネルギー化し、CO2排出量うちScope2の約99%を削減しました。
≪FIT 非化石証書とは≫
FIT…再生可能エネルギーの固定価格買取制度(Feed-in Tariff)
非化石証書…石油や石炭等の化石燃料を使っていない「非化石電源(電気をつくる方法)」で発電された電気が持つ「非化石価値」のみを取り出し証書化したものを指します。
また、サプライチェーン全体のCO2排出量を把握し、ネットゼロに向けた取り組みを進めるべく、GHGScope3の算定を行っています。(2022年度分~)
そして、保有物件における電気消費量の実績カバー率を向上するべく、2024年1月末時点で143物件(延床面積ベースでポートフォリオの61.7%相当)に電力量計測システムを設置しており、同システムにより専有部の電気消費量についても計測しています。なお、テナントに対しては、省エネルギーに係る各種啓蒙策を実施しています。
項目 |
2030年度までの目標(2018年度比) |
2050年度までの目標 |
---|---|---|
エネルギー消費量 |
20%(原単位)削減 |
- |
CO2排出量(GHG) |
Scope1-2:51%(総量)削減 Scope3:対応カテゴリの把握および範囲確定・算定 |
Scope1-2:ネットゼロ |
水消費量 |
増加させない(共用部) |
- |
廃棄物量 |
リサイクル率65%(専有部工事にかかる排出) |
- |
エネルギー消費量
内訳 |
単位 |
2018年度 (基準年) |
2019年度 |
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
2030年度目標値 |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
実績 | 実績 | 実績 | 実績 | カバー率 |
原単位削減率 |
||||
合計 |
総量 |
15,749 |
15,536 |
15,354 |
15,266 |
14,274 |
100.0% |
-10.5% |
-20% |
原単位 |
0.086 |
0.086 |
0.083 |
0.082 |
0.077 |
||||
電力 |
総量 |
14,273 |
13,926 |
13,860 |
13,705 |
13,009 |
100.0% |
-10.3% |
- |
原単位 |
0.078 |
0.077 |
0.075 |
0.074 |
0.070 |
||||
燃料 |
総量 |
1,248 |
1,365 |
1,263 |
1,313 |
1,091 |
100.0% |
-13.3% |
- |
原単位 |
0.060 |
0.064 |
0.042 |
0.061 |
0.052 |
||||
地域 |
総量 |
229 |
245 |
230 |
248 |
174 |
100.0% |
-25.0% |
- |
原単位 |
0.016 |
0.017 |
0.016 |
0.017 |
0.012 |
CO2排出量(GHG Scope1,2)
内訳 | 単位 |
2018年度 (基準年) |
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
2030年度目標値 |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
実績 | 実績 | 実績 | 実績 | カバー率 |
総量削減率 |
||||
合計 |
総量 |
7,757 |
8,119 |
7,052 |
253 |
188 |
100.0% |
-97.6% |
-51% |
原単位 |
0.043 |
0.045 |
0.038 |
0.001 |
0.001 |
||||
直接排出 |
総量 |
219 |
239 |
221 |
230 |
188 |
100.0% |
-14.2% |
- |
原単位 |
0.010 |
0.011 |
0.007 |
0.011 |
0.009 |
||||
間接排出 |
総量 |
7,538 |
7,880 |
6,831 |
23 |
0 |
100.0% |
-100% |
- |
原単位 |
0.041 |
0.044 |
0.037 |
0.000 |
0.000 |
CO2排出量(GHG Scope3)
カテゴリー |
2022年度 |
---|---|
1. 購入した製品・サービス | 2,085 |
2. 資本財 | 18,354 |
3. Scope1,2 に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 | 44 |
5. 事業から出る廃棄物 | 124 |
6. 出張(対象:資産運用会社従業員) | 33 |
7. 雇用者の通勤(対象:資産運用会社従業員) | 23 |
13. リース資産(対象:保有物件専有部) | 9,080 |
合計 | 29,743 |
※環境省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関するガイドライン」に基づき算定しています。
※上記に記載のないカテゴリーは、排出源が存在しない、若しくはScope 1、2に含めて算定しています。
水消費量
単位 | 2018年度 (基準年) |
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2030年度目標値 (2018年度対比) |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
実績 | 実績 | 実績 | 実績 |
カバー率 |
原単位削減率 (2018年度対比) |
|||
総量 (㎥) |
11,035 | 10,817 | 11,263 | 9,879 | 10,637 | 100.0% |
-5.8% |
共用部において 増加させない |
原単位 (㎥/㎡) |
0.069 | 0.069 | 0.070 | 0.061 | 0.065 |
項目 | 単位 | 2018年度 (基準年) |
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|---|---|---|---|
上水使用料 |
総量 (㎥) |
11,035 | 10,817 | 11,263 | 9,879 | 10,637 |
原単位 (㎥/㎡) |
0.069 | 0.069 | 0.070 | 0.061 | 0.065 |
項目 | 単位 | 2018年度 (基準年) |
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|---|---|---|---|
下排水量 |
総量 (㎥) |
11,035 | 10,817 | 11,263 | 9,879 | 10,637 |
原単位 (㎥/㎡) |
0.069 | 0.069 | 0.070 | 0.061 | 0.065 |
廃棄物量
単位 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 目標・KPI |
---|---|---|---|---|---|---|
実績 | 実績 | 実績 | 実績 | 実績 | ||
総重量(t) | 84 | 119 | 181 | 115 | 126 | リサイクル率65%以上を維持 |
リサイクル量(t) |
74 | 102 | 160 | 103 | 111 | |
リサイクル率(%) |
88.0% | 85.7% | 88.4% | 89.8% | 88.5% |
- 集計期間
各4月~3月を1年度とし、原則とし年次で実績を更新します。 - 報告範囲
集計期間において期中売買が発生した物件は除き、通期で保有する物件のみを対象とします。 - 算出方法について
- 原単位は、(各消費・排出総量)÷(共有部延床面積(㎡))として計算します。
- 区分所有物件については、本投資法人の持分比率を当該のデータに乗じます。
- 廃棄物リサイクル率の計算は、以下の通りです。
リサイクル率(%)=①リサイクル総量÷②総量×100
①運用会社のグループ会社である伊藤忠アーバンコミュニティが、発注する原状回復工事にて、排出された廃棄物の総量の内、リサイクル処理をされた量(t)
②同工事にて、排出された廃棄物の総量(t)
※以下の理由により、2022年度までに開示していた2018年度~2021年度の環境パフォーマンスデータ数値を修正しました。
・「03.算出方法について-02」記載の算出方法を新たに適用・エネルギー消費量-地域冷暖房の計算範囲を共用部に限定したこと等による修正
※過去の実績値については算出方法等の見直しに伴い遡及して修正する場合があります。
3. 環境パフォーマンスデータの第三者保証取得
2022年度の環境パフォーマンスデータは一部を除き、㈱サステナビリティ会計事務所より、国際保証業務基準ISAE3000ならびにISAE3410に準拠した「第三者保証(限定的保証)」を取得しています。
※第三者保証は、集計期間中に取得・売却を行った物件を含み算出しているため、上記「目標と実績」に記載の数値と異なります。
4. グリーンリース条項の導入状況
テナントとの賃貸借契約において、不動産の省エネ等の環境負荷の低減に関する条項(グリーンリース条項)の導入を促進しています。2024年1月末時点、賃貸戸数のうち、約66.7%の住戸に係る賃貸借契約において、グリーンリース条項が導入されています。また、プロパティ・マネジメント会社との管理委託契約においても、グリーンリース条項の導入を推進しています。
5. サプライチェーンマネジメント
IRMは、「サステナビリティ方針」に掲げた個別項目の実現に向けてサプライヤーと協働して取り組むべく「サステナビリティ調達ポリシー」を定めています。本ポリシーに基づき、2016年度より全てのプロパティ・マネジメント会社を含む主要な取引先について、その取引開始時及び毎年1回、サステナビリティに関する取り組み状況を含むアンケートを実施し評価することで、サプライヤーとのエンゲージメントを強化しています。
また、サプライヤーからIRMの調達に関する方針の理解と協力を得ていくことが重要と考え、主要な取引先であるPM会社・BM会社に対して「サステナビリティ調達ガイドライン」を通知しています。
都市部への投資
多種多様な物件への投資を通じ、環境負荷の軽減を促進し、街やコミュニティの活性化に貢献しています。
1. 複合/多用途物件への投資
複合/多用途物件(2024年1月末時点で85物件(ポートフォリオの30%相当))への投資を通じ、物件入居者や周辺住民の生活利便性向上、環境負荷軽減を促進します。また、保有物件には店舗や公開空地を有しているものもあり、同物件に人が集まってくる等街やコミュニティの活性化に貢献しています。
- 公共交通機関の利用を促進し、CO2発生を抑制する駅近物件への投資 最寄駅から徒歩10分以内の物件:2024年1月末時点で94%(取得価格ベース)
また、ADRは、物件取得に係り、最寄駅からの距離(アクセスの良否や徒歩分数)の基準を設けており、シングル・コンパクトタイプにおいては徒歩10分以内、ファミリー・ラージタイプにおいては15分以内を目途としています。 - スーパーやコンビニなど生活利便施設が併設される物件への投資
- 周辺住民の利用できる公開空地を有する物件(2024年1月末時点で7物件(ポートフォリオの2.5%相当))への投資
- バリアフリー設備等高齢者に対応した物件への投資
ADRの保有物件は、建築基準法に基づき該当物件においては、車いす用の導線確保(スロープ・手すり・専用駐車場)を原則設置しています。
なお、ブランシエール港北2にて、法定上は必要ないものの、テナントからの要望に基づき、エントランスへのスロープに手すりを設置しました。
2. 都市再生プロジェクト等*により開発された物件への投資
都市再生プロジェクト等により開発された物件等への投資を通じ、街やコミュニティの活性化、周辺住民の利便性を向上に貢献しています。
*J-REITは法制度上、物件建設等開発行為は制限されています。
01. ピアネッタ汐留
地域住民の発意による新しい生産活動、生活のためのコミュニティづくりに賛同し、都市再生プロジェクトにより開発された地区にある物件に投資しています。
同地区は、イタリア文化と日本の伝統文化との調和と均衡による魅力的な景観を創出するだけではなく、持続的なまちづくりのための安全・安心なコミュニティづくりや、行政とのパートナーシップを充実・強化させています。
イタリアの街並みを表面的に採り入れるだけではなく、都市再生のあり方そのものにもイタリアの都市活性化の考え方を採用したところが、本地区の特徴です。
02. その他、ADRが取得した都市再開発での開発物件
3. 都市部の既存開発地域への投資
既存市街地へ投資することにより、水道や電気、そして小学校等既存のインフラが使用できます。
また、都市のスプロールを防ぎ、交通によるエネルギー消費や緑地の開発を防ぐことができます。
スポンサーグループとの協働
IRMのスポンサーグループと以下の様な取り組みを協働しています。
- 物件開発・購入
複合/多用途物件開発等賃貸マンションにおける環境・地域に貢献できる案件の積極的な推進。グリーンビルディング認証の取得。 - 物件管理
省エネルギー啓発等環境への配慮やAED設置等地域への貢献。